「バストまわりの補整」どうしてる?~千差万別・赤裸々徹底対談!~

「胸まわりの補整」について

「和装ブラ・キャミソールの上から手ぬぐいやタオルで足りない部分を補充」

着付け教室や、本、雑誌に書かれている通りにやってみるけど、なんだかしっくりこない・・・
和装ブラでかぶれてしまう・・・
胸をつぶしすぎて気持ち悪くなってしまった・・・

それもそのはず。骨格・バストの大きさやカタチ・肉質は人それぞれ。
「下着」について、あまり語られてこなかった細部について、TSUBAKIANのモリタマミさんとろっこが対談形式で徹底検証!

PROFILE


ろっこや
ハミルトンヒロコ(以下ろっこ)
伝統とモダンを融合させたデザインが人気のきものブランド〈ろっこや〉代表

前職は美容師として雑誌やショーなどのヘアメイク・着付を手がける
「その人の持つ魅力を引き出す」ことをモットーとしている

TSUBAKIAN
モリタマミ(以下マミ)
スタイルアップコンサルタントとして、パーソナルカラー、骨格診断、着付レッスン、ポージングレッスンなど、なりたい自分になるサポートを行う
オリジナルブランド〈TSUBAKIAN〉では、【美しい装いを心がける】 をコンセプトに、デイリーに使えるアイテムを取り揃える

ーモリタマミさんのInstagramライブ配信で、2人が語った「補整」について、とても反響があったのだとか

マミさんのInstagramより。※ライブは現在ご覧いただけません
※インカメラでの撮影のため、左右反転、衿合わせが逆に見えています


ろっこ
マミさんのインスタライブにゲスト出演したときに、補整、和装ブラについてトークをしました。
ありがたいことに、とても大きな反響をいただきまして!

マミ
体型が正反対の2人は、補整の内容も全然違います。この違いが面白いというか、
「バストの話」って聞きにくい部分だからこそ、たくさんの反響をいただいたんでしょうね。

ろっこ
私たち2人に加え、今回は色々なタイプの骨格、バストの方をモニターに迎え、「補整」について、熱く赤裸々に語りたいと思います!

マミ
自分がどういう体系なのかを知ると、補正の方向性が見えてきます。まずは、基本となる「骨格」と「バスト」の種類についてみていきましょう

自分の骨格を知る〜骨格診断とは?

持って生まれた身体の質感やラインの特徴から、
大まかに【ストレート/ウェーブ/ナチュラル】3つのタイプに分類します。
骨格によって似合いやすい形や素材などを導き出すことができ、和装の場合は着姿や、補整の参考にもなります♪

【ストレート】

・厚みのあるメリハリボディ:身体に厚みがあり、上重心・ハリのある質感

【ウェーブ】

・華奢なカーヴィーボディ:身体に厚みがなく薄い、下重心・柔らかな質感

【ナチュラル】

・骨、関節がしっかりしたスタイリッシュボディ:関節や骨格の大きさに特徴が出る・肉感的ではない

参考サイト:骨格診断アナリスト協会<骨格診断とは>

自分のバストのタイプを知る

バストの形・肉質によってブラジャーを選ぶように、和装の補整もバストによって変わってきます

参考サイト:ThirdLove Breast Shape Dictionary


ろっこ
ご自身のタイプは見つかりましたか?では、骨格とバスト型を踏まえて、実際にマミさん、私(ろっこ)の補整方法・着姿をご覧ください!

case1:TSUBAKIAN モリタマミ

骨格 バストタイプ トップとアンダーの高低差 肉質 肌質
骨格ウェーブ
バスト型サイド型
トップとアンダーの高低差10cm 肉質柔らかい 肌質特に敏感肌ではないがレースで痒くなる

はじめは、教科書通り


マミ

着物をはじめたころは、着付け教室で習った通りの補整をしていました。
薄手のタオル3枚を胸元・ウエスト・ヒップに巻いて、まっすぐなラインになるように。
和装ブラは、「バストの大きい方がつけましょう」と習ったのでつけていません。

ただ、この補整だと、着姿が凄く太って見えて嫌だったんです。

素材・なりたい姿によって足し引きを


マミ

当時、ほぼ毎日きものを着ていて、素材はウールや木綿が中心。
ある時から、「厚みがあれば補整なしでイケるやん!」と、補整なしで着るようになりました。


2006年ごろの着姿


2010~11年ごろの着姿

最近は、柔らかい素材のきものを着ることが多いのですが、そうすると、生地に厚みがない分、着姿に体型がダイレクトに響きます。

わたくしは、骨格はウェーブ、バストはサイド型。
和装ブラをして着付けをすると、絶望的に胸が消えうせてしまいました(笑)
上半身がぺたーんとしすぎてしまい、曲線ラインの下半身とのバランスがおかしくなってしまうんです。

なので、普通のブラをしてボリュームを出し、胸の間に三角に折ったハンカチをいれて高低差をなくし、
女性らしいふっくらとしたシルエットになるように補整します。

現在の着姿は、こんな感じです

胸がほんの少しふっくらとすることで、着姿が全体的に柔らかく、丸みのあるラインになりますでしょう?

ブラは、ワイヤーなしの脇肉から全てかき集めて真ん中に寄せるタイプのものを使っています。
※カップの形がしっかりしているものや、パッドが入っているものは、アンダーとトップに差が出来過ぎるのでおすすめしません

ちなみにわたくしが愛用しているのはコチラ

タオルなどの補整を行わないのは、ワンピース式肌襦袢・裾除け・半襦袢と、重ね着することで、ミルフィーユのように薄皮を増やしているので。 バストウエストの差が少ない体型には有効です!


ろっこ
一般的な和装ブラでも綺麗には着られるけれど、マミさんの求めるより女性らしいラインを出すために逆にボリュームを「足す」!
マミさんの着姿への探求心の賜物ですね・・・。骨格って面白い!

マミ
私と同じような体系でも、マニッシュにカッコよく着るのが好き、という方は普通に和装ブラをなさって、すっきりとさせてもGOODです。骨格のバランスと、「理想の着姿」をイメージしてチョイスしましょう!

case2:ろっこや ハミルトンヒロコ

骨格 バストタイプ トップとアンダーの高低差 肉質 肌質
骨格ストレート
バスト型ラウンド型
トップとアンダーの高低差20cm 肉質張りがある 肌質敏感肌・かぶれやすい

ろっこ

私は、骨格はストレート、バストはラウンド型。

バストの自立心が強すぎて、優しくおさめる系の和装ブラはまるっきり意味がありません。

ここで、私の長かった自分(にあった補整)探しの経緯を、検証写真もまじえてご紹介いたします

和装ブラ試行錯誤時代


ろっこ

まず、おそらく誰もが一度は買ったであろう「一般的な前チャックの和装ブラ」は、パワーが足りず、丸く大きく膨らんでしまいました。
例えていうと「バストの上に布一枚かぶせただけ」、みたいな。

ほんのり柔らかくラインが出るのは自然で美しいと思うのですが、私の場合はバストの主張が激しすぎるというか・・・
何よりも、バストのサイドラインが着物越しにわかるのでイヤらしく見える。

帯揚げが沈み込み、ホールドできていないバストの動きに合わせて衿が縦に開いてきます。

「着付けはじめは綺麗だったけれど、時間が経つと衿が開いてきた・・・」という経験がある方も多いかと思います。

「肉の動き」にそって布がひっぱられて動くのは自然なこと。
原因のひとつとして、「そもそも補整があっていない」可能性もあります。

次に試したのが、<つぶす系和装ブラ>
パワーはあるけど、私の場合肉質が硬いので、つぶすと肉が脇に逃げて、これまた太って見える。真正面から胸を押しつぶされた結果、逃げ場のなくなった胸が横に逃げるんです。

さきほどよりは綺麗になりましたが、横がワイド。

この辺で、「つぶすんじゃなくて寄せるのでは・・・?」と気付きました。

そして、寄せてあげるタイプの、見た目も美しい「高級レースの和装ブラ」。
ホールド力抜群でサイドも綺麗に寄せられるけれど、上げる力が絶大なため、アンダーとの高低差が激しく出ます。
ブラをつけたあと、畳んだ手拭い四枚を伊達締めで抑えて高低差をなくしていました。(たまに手拭いがズレて大惨事)
そして、肌が弱いので、レースにかぶれて湿疹に苦しむことに・・・
なおかつ、ホールド力抜群な分、肩にかかる負担で激しい肩コリにも悩まされました。

この時点では、外からの見た目は満足いく仕上がりに。
ただ、肌と肩がつらいという・・・(泣)


マミ
レースの和装ブラは、肉質が普通で、高低差も10cm前後だと、ばっちりなんですよね。見た目も美しいし、合うかたにはよいアイテム。

ろっこ
本当にそう、、あくまでも「私にはあわなかった」んです。

天然繊維ならかぶれない?原点に返って考える


ろっこ

化繊がダメ、ということは、天然繊維?と思い。
原点に返り、昔から使われてきた「さらし」を使ってみました。
綿なので自然なゆるみができて苦しくないし、巾の広い「面」でおさえるので、バストが逃げずきれいに収まる。肩に負担がない。カタチも美しく仕上がって、「これだ!!!」と感動しました。

が・・・!
巻くのが面倒・・・!
そして、力加減を間違えると、着たときは綺麗でも、だんだんとずれ落ちてきて胸が飛び出てしまったことが(笑)


マミ
逆に胸を強調してしまっとるやん(笑)

ろっこ

いやもう、なんか胸がふかふかするな~と思っていたらバーン!みたいな(笑)
これは慣れれば解消することだと思うんですが、特訓する前にさらしを進化させた便利な和装ブラに出会いまして。
それが、「補整キャミソール」

ベスト状になったさらしを肩からかけて、マジックテープで止めるだけ。
補整を足したい場合は、てぬぐいやタオル、パッドもいれられます。

補整キャミソールを着用して、完成した着姿がこちらです


マミ
全然違う!

ろっこ

並べてみると一目瞭然ですね!表情までもが晴れやかに(笑)

私の場合は、現在この補整アイテムがベスト。
ふっくらしすぎず、ぺたんこすぎない、ほどよい曲線の着姿になります。
+てぬぐい3枚を平らにして、前のポケットにいれて高低差をなくしています。

手拭いのサイズも重要!高低差をなくすためにコンパクトにして入れています。バストの形や肉質によっても変わりますので、色々試してみましょう♪


マミ
インスタライブでこのアイテム紹介したら、問合せすごかったんよな(笑)

ろっこ

そうなの(笑)これ、ろっこやでは扱っていません。
インスタライブのあと売り切れになっていたようで、ろっこやに「再入荷はいつですか?」とお問合せを沢山いただきました。
ごめんなさい、うちで売っていないのでわかりません・・・(笑)

「補整キャミソール 和装ブラ」などのワードで検索すれば、アイテムが見つかるかと思いますので、気になる方は是非探してみてください♪価格は4000円前後でした。

ただ、天然繊維の木綿でも、肌の弱さはどうにもならず・・・。化繊よりは良いけど、多少かぶれてしまいます。
シルクのキャミソールを着た上から装着してみたら良いかな?と、試行錯誤中。
なにかさらにいい方法やアイテムを発見したらご報告いたしますね♪

ー好対照なお2人の補整、本当に全く違います・・・
他にも色々な骨格・バストの方がいらっしゃいますが、その補整についても知りたいです!


ろっこ
そう思って、マミさん、私ともまたタイプの違う方々にご協力いただき、実験・検証してみました!

マミ
骨格・バスト型によってあわせやすい補整は変わります。
それぞれのお悩みや別、おすすめの補正を検証しました。
是非ご参考になさってください♪

case3:Aさん

骨格 バストタイプ トップとアンダーの高低差 肉質 肌質
骨格ナチュラル
バスト型スレンダー型
トップとアンダーの高低差7cm 肉質柔らかい 肌質普通

ろっこ

この方は、骨格はナチュラル、バストはスレンダー型。
マミさんと同じような補整があうかな?と思うと、そうではなく。


マミさんと同じくブラジャー&ハンカチ補正をした着姿

バストをふっくらとさせる補整をすると、太って見えてしまいますね


マミ

この方は骨格が「ナチュラル」なので、肩のカタチとのバランスをとり、すっきりとした胸元がよく似合います。

ですので、一般的な和装ブラでの補正のほうがよろしいかと。
高低差が大きくなければずれ落ちることもあまりないので、さらしも向いています♪

さらしをつかった着姿はこちら


ろっこ

さらしですっきりして綺麗な着姿になりましたね♪

ちなみにこの方、さらしが長くて洗濯が面倒、ということで補整キャミソールを買ってみたそうですが、バストが小さめなので、マジックテープが脇まできてしまって「ちょっと長い」と感じたそうです。


マミ

体型によって調整、という点では「さらし」はパーフェクトですね。
お値段もリーズナブルだし、コツさえつかめればどなたにでもフィットする、やはり昔から使用されてきたものには意味がありますね!

case4:Bさん

骨格 バストタイプ トップとアンダーの高低差 肉質 肌質
骨格ウェーブ
バスト型ベル型
トップとアンダーの高低差13cm 肉質柔らかい 肌質普通

ろっこ

この方は、骨格はウェーブ、バストはベル型。
肉質が柔らかいので、ホールド力がありすぎる和装ブラをすると、バストがあがりすぎて、トップがはみ出してしまうんだとか。


こちらは補正ゼロの着姿。

着用しているきものが正絹単衣なので、胸元はややワイドに響いていますが、ウールや木綿など硬い素材のきものや、カジュアルなお出かけの時は補正なしでも自然で素敵に着こなせるタイプの方♪


マミ

この「はみ出してしまう」ってお話、たまに伺います。
バストが柔らかい方は、しっかり全体をつつみこんでくれるタイプの和装ブラがよろしいかと。
この方も骨格がウェーブなので、ほんのり丸みのあるやわらかいラインがおすすめ。

しっかり大きめの和装ブラを装着された着姿がこちら


ろっこ
さらしなど、面をつかって平らにするより、ほどよいホールド力の和装ブラでふんわりにしたほうが体型、骨格にあっていますね♪

バストが柔らかい肉質の人は、きれいに和装ブラにおさまる、ということがわかりました!

case5:Cさん

骨格 バストタイプ トップとアンダーの高低差 肉質 肌質
骨格ウェーブ
バスト型ティアドロップ型
トップとアンダーの高低差13cm 肉質普通 肌質敏感肌・かぶれやすい

ろっこ

この方は、骨格はウェーブ、バストはティアドロップ型。
カタチや肉質的に、ホールド力のある和装ブラでも良さそうですが、
以前つかっていた男装用のブラで苦しくなってしまい、なおかつ肌がかぶれてしまったとのこと。
私も男装用ブラ使ったことあるけど、本当に苦しいの!
全部つぶして真っ平に近いくらいになるんだけど、それだけ押しつぶされると苦しくて当然よね。


こちらは補正ゼロの着姿。


マミ

この方、ウェーブなんだけど、肩回りが比較的しっかりされています。
ウェーブ寄りのふんわりとした補整をすると、太って見えてしまいます。

「洋服は肩で着る」と言われているのと同じで、きものでも、この方にはナチュラル寄りの補整や着姿がお似合いやと思います。
肌も弱いとのことですし、ろっこちゃんと同じ「補整キャミソール」を装着してみましょう!


ろっこ

綺麗な着姿になりましたね!

実は、この撮影の際、まずはご自身で補整キャミソールを巻いてもらったのですが、
仕上がりがふわっとして胸の丸みが出てしまったんです。

巻き方をみていると、マジックベルトのつけかたがゆるかった。
綿は勝手にゆるんでくれるので、最初は少しきついくらいに巻いて、さらに胸をよせてあげて一か所に集めると、綺麗な着姿になります!

補正キャミソールは、さらしよりはカンタンですが、ゆるすぎるとふんわりしてしまうので、巻くときにご注意を!


マミ

力の入れ具合は着付けと同じで多少コツがありますね。ご自身の苦しくない、ほどよい具合を見つけましょう♪

さて、わたくしとろっこちゃん、モニターさん、計5名のタイプ別補整を見ていただきましたが、いかがでしたでしょうか。ご自身のタイプに近い人がいたかな?

和装ブラにせよ、さらしにせよ、使用方法をよ~く見て理解して、ご自身の骨格や肉質、バストサイズにベストな補整はなにか?が見つかる手助けになれば、幸いでございます。


ろっこ

きものだとあまり体型がでない、と思っている方多いかと思います。
ところがどっこい。如実に反映されます。

骨格や体型、またはお好みによってその方のベストは違います。
「これがダメ!」ということではなく、「このパターンだとこの選択肢はどう?」という提案として見ていただければ♪


マミ

日本人の体形、および着姿のスタンダードは時代によってかわるものですしね。
大きいバストにメリハリボディ、その体型を活かした着付けがスタンダードになる日もくるかもしれません。
現に、コミックスやアニメの世界ではそのような描かれ方もされています。

近い将来、この着方が可愛い、という美意識がスタンダードになるかもしれないですね。


ろっこ

胸の補整は千差万別。自分にとって心地よき調整と選択を。
赤裸々なバスト、骨のお話。少しでも参考になったら幸いです!


マミ

骨格、体型、襦袢・きもの・帯の厚み、どんなシーンに着ていくのかで補整の分量や必要性も変わってくると思います。
自分の骨格、どんなイメージで着たいのかを知ることによって、理想の着姿を追求していけるはず!


ろっこ

着付けによる着姿の印象の違いは、過去のスタイリングコラムをみていただければと♪


マミ
「着付け」についても、また別の機会にもっと掘り下げて語りたいね。

ろっこ
着付けも奥深い世界・・・語りつくせぬ深淵・・・
マミさん、ぜひまたよろしくお願いします♪今回もありがとうございました!

マミ
ありがとうございました!次回もよろしくお願いします♪

ー今回もありがとうございました!次回のコラムも是非お楽しみに♪

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